1月14日、大磯左義長

一月十四日の小正月は全国各地で様々な行事が行われます。この辺りでは「団子焼」「ドンドン焼き」
「ドンド焼き」「サイの神焼き」「サイト焼き」「セエトバレエ」と呼ばれる、正月飾りや松、孟宗竹、ダルマ、藁などを燃し
その炎で団子を焼き、書初めを燃やしたりする行事が各地で行われます。その中で有名なのが大磯北浜海岸にて
「左義長」と呼ばれるサイトバライが盛大に行われます。また、これらの行事は道祖神信仰と深い結びつきを持ちます


これが「サイト」。海岸には長者町、山王町、大北、浅間町、中宿、子の神、大泊、浜の町、坂下の九つのサイトが並びます



真ん中で光っているのが浅間町浅間神社の道祖神です。各町内に道祖神があり、長者町、山王町以外の
七町内の道祖神を「七とこまいり」といって、順番にお参りする風習もあります



「ヤンナゴッコ」を行う北下三社の若衆の詰め所です。「ヤンナゴッコ」とは、丘方と海方に分かれ
それぞれを漁師、魚に見立てて海中のソリを引き合うやりとりをいいます。各地のサイトバライの中でも珍しい風習です



こちらは浜辺に置かれた長者町の道祖神。サイトバライは道祖神の例大祭であり、足柄方面では道祖神の祭に山車が出るところもあります
 


サイトに火が付けられ一斉に燃え上がりました。冬の暗い浜辺のあちこちに燃え上がるサイトはとても幻想的です
それぞれの地区のサイトで団子が焼かれています。この団子を食べると風邪をひかないとも言われています
  


そしてサイトが恵方に倒された頃、大北、浅間町にてそれぞれ「ヤンナゴッコ」が行われます
画像はソリの上に組まれた「ヤンナゴッコの宮」です



浜方の若衆がソリをひき海に入っていきます。これを陸方の子供達を含む人々がひきあげます
一旦引揚げられたソリは、「ヤンナゴッコの宮」が壊され、再度海に入り同じやりとりを行います
 


引揚げられたソリと若衆。木遣を入れながら漁師町の路地を進んでいきます
このときソリの後ヒモを電柱にくくりつけ、陸方にひかれても一定の場所までしか進まない様にします
 


その後、浅間町のソリが反対方向からやってきて並んで木遣が入れられます
 


浅間町のソリが浅間神社道祖神にたどり着いたあと、下北三社のソリも大北の道祖神に到着しました
年男を胴上げし「ヤンナゴッコ」も無事終了となりました。(参考文献:『祭礼行事神奈川県』平成3年桜楓社)
 




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